ホテル法華クラブ

春の札幌で北海道の歴史をたどる

 かつて蝦夷地と呼ばれた北海道には、13世紀頃から先住民であるアイヌの人々が暮らし、独特の文化を築いてきた。1869(明治2)年、新政府によって蝦夷地は北海道に改称。開拓のための官庁である開拓使が置かれ、警備と開拓を担う屯田兵制度が設けられて、北海道の開発が始まった。
 札幌市内には開拓の歴史と文化に触れられる見どころが数多い。札幌駅周辺では北海道大学や北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)、郊外では北海道博物館や北海道開拓の村など。また、札幌市民の憩いの場になっているモエレ沼公園も、新たな街づくりとアートが一体となった魅力あふれるスポットだ。

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北海道博物館

 エントランスホールで来館者を迎えるのは、巨大な2頭のゾウのレプリカ。北から来たマンモスゾウと南から来たナウマンゾウ、北の針葉樹と南の広葉樹などが共生してきた北海道は、地球規模で見ると生物にとっての交差点だという。
 館内は5つのゾーンに、北海道120万年の歴史、アイヌ文化、生き物の北海道など、北海道の特殊な自然、歴史、文化が展示されている。

札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
☎011-898-0456 9:30〜16:30(5〜9月は17:00まで)
*入館は閉館の30分前まで
月曜休館(祝日・振替休日の場合は直後の平日が休館)
入館料:600円
JR新札幌駅・地下鉄新さっぽろ駅からバスで約15分

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北海道開拓の村

 明治から昭和初期にかけて造られた道内各地の歴史的建造物を、広大な敷地に移築・復元して保存。旧札幌停車場を入場口に、旧開拓使札幌本庁舎などの市街地群、農村群、山村群、漁村群に52棟が点在し、開拓時代の厳しい生活が伝わってくる。夏期は馬車鉄道が、冬期は馬そりが村内を運行。
 無料のガイドツアーもある。北海道博物館からは連絡路で徒歩15分ほど。

札幌市厚別区厚別町小野幌50-1 ☎011-898-2692
9:00〜16:30(5〜9月は17:00まで)
*入村は閉村の30分前まで
月曜休村
(祝日・振替休日の場合は翌日が休村、5〜9月は無休)
入村料:680円(4月から800円)
JR新札幌駅・地下鉄新さっぽろ駅からバスで約15分

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 1876(明治9)年に札幌農学校として開学。1903(明治36)年の小規模な植林をはじまりとするポプラ並木、かつて林学教室に使われた古河講堂、「少年よ、大志を抱け!」で有名なクラーク博士の胸像など、歴史を感じられるスポットが多い。構内の総合博物館では、貴重な学術標本や資料を無料で一般公開している。
*総合博物館は耐震改修工事のため2016年7月頃まで休館予定
札幌市北区北8条西5丁目 ☎011-716-2111
JR札幌駅から徒歩7分 *総合博物館は耐震改修工事のため2016年7月頃まで休館予定

北海道大学
畜産経営の実践農場として開設された
札幌農学校第二農場
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モエレ沼公園
イサム・ノグチの没後、
2005年にグランドオープンした
モエレ沼公園

 世界的な彫刻家のイサム・ノグチが、"人間が傷つけた土地をアートで再生する"ため、ゴミ処理場の跡地にデザインした189haの総合公園。ノグチが長年あたためてきた"大地を彫刻する"アイデアが、市街地を緑地化するプロジェクトの拠点となり、札幌の新しい歴史を刻み始めている。

札幌市東区モエレ沼公園1-1 ☎011-790-1231
7:00〜22:00(入園は21:00まで) 無休 入園無料
地下鉄東豊線環状通東駅からバスで約25分ほか

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140年にわたる日本のビール醸造の物語
 サッポロビールの前身、開拓使麦酒醸造所が完成したのは1876(明治9)年。以来140年にわたるビール醸造史の展示を、無料のガイドツアーで見学できる。1階にテイスティングサロンとミュージアムショップを併設。隣のサッポロビール園では、できたての生ビールとジンギスカンを味わえる。
札幌市東区北7条東9丁目1-1 ☎011-748-1876
11:30〜20:00(入館は19:30まで)
毎週月曜日、12月31日休館 入館無料
地下鉄東豊線東区役所前駅から徒歩10分
*2016年4月21日にリニューアルオープン
  (4月20日まで休館)

サッポロビール博物館
重厚なレンガ造りの建物は1890(明治23)年の建設
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