ホテル法華クラブのスペシャリストに聞く

ホテル法華クラブ福岡支配人

 朝食バイキングのメニューを福岡・博多の郷土料理中心に刷新したホテル法華クラブ福岡。そんなレストランはもちろん、フロント、客室のすべてに目を行き届かせているのが支配人の梅田敏明さんだ。ホテル激戦区の博多で新しいことにチャレンジし続けるこだわりについて伺った。

消費者目線で朝食を改革

 九州新幹線全通で博多駅前に新しい商業施設のオープンが相次ぎ、アジアからのゲートウェイとしての機能も高まっている福岡市。博多駅前やキャナルシティ周辺にはホテルが林立し、国内外から訪れる観光客やビジネスパーソンの滞在をサポートしている。
 そんな激戦区で、地産地消の郷土料理を武器に新しい朝食のかたちを提案するのが、ホテル法華クラブ福岡だ。支配人の梅田敏明さんは、「朝食は一日のはじまり。福岡・博多の食文化にふれていただこうと、郷土料理の歴史もあらためて勉強しながら調理法、食材を研究しました。郷土料理はもちろんのこと、博多明太出し巻、黒カレーのようにアレンジした創作料理も楽しんでいただければ」と語る。
 新メニューの開発にあたっては、厨房だけでなくフロントや客室のスタッフにも食べてもらい消費者目線からの意見を参考にした。そうして試行錯誤した朝食は、朝6時半のオープン前に宿泊客の列ができるほど。「福岡店で朝ごはんの良さを知ったお客様が他地域の郷土料理も食べてみたいと思って、ホテル法華クラブグループ全体の利用拡大につながればいいですね」と力を込める。

"人財"の力が最も大切

 梅田支配人が、ホテル運営で最も大切だというのが"人財"の力だ。ホテル法華クラブ福岡は、幅広いスタッフが支えている。ホテル法華クラブの合言葉でもある「心をつくす」という思いを共有し、さりげない声掛けやサービスができるよう社員教育にも力を入れる。
「私自身もたくさんの先輩から心をつくすサービスについて教えられてきました。オールスタッフが努力してくれているなか、いつの間にか先頭を走るようになった自分たちも頑張らなければと鼓舞されています」と言う。
そんなホスピタリティが確実に受け継がれていることは、外食先に迷う宿泊客に手作りの周辺屋台マップやラーメンマップを渡して一生懸命説明するフロントスタッフ、料理の補充に常に目配りするレストランのスタッフ、すれ違うたび笑顔で挨拶する客室係の姿からも、はっきりとうかがい知ることができる。

梅田敏明氏 Profileうめだ・としあき
大分県中津市出身。1980年入社。福岡店を皮切りに、札幌店など全国各地の店舗を経て2012年より現職。
ホテルスタッフ

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