手づくりの温かさに出合う 京町屋でつまみ細工体験

地底の森ミュージアムでは、富沢遺跡から発掘された2万年前の旧石器時代の遺跡面を展示している

いま、縄文ブームがじわり来ているのをご存じですか。2018年9月に閉幕した東京国立物館の特別展「縄文展」には35万人が来場。ドキュメンタリー映画『縄文にハマる人々』にはコアなファンが押し寄せ、「土偶女子」なんて言葉も耳にするようになりました。実は、そんな縄文時代、さらにその前の旧石器時代の世界に飛び込むことができるのが仙台。古代にタイムスリップして賢くなれる、ふたつのおすすめスポットをご紹介します。

地底の森ミュージアムは、富沢遺跡から発見された2万年前の人間の生活跡と森林跡を展示している場所。この2つが一緒に見つかるのは世界でも非常にまれだといいます。圧巻は、地下5mにもおよぶ地層断面をそのままはぎ取った展示。当時の人々がたき火をした跡やナイフ形石器、石のハンマーなどがそのまま残され、旧石器人たちがたき火を囲んで石器づくりなどの作業をしていた様子を思い起こさせてくれる。鹿のフン、昆虫化石なども見つかっており、2万年前のある一日の様子を再現したスクリーン映像も見る価値大。
そして、旧石器時代の展示を存分に堪能したら、外に広がる氷河の森へ。現在より年平均で8度近く低かったと考えられている旧石器時代の森が再現され、そぞろ歩くだけですがすがしい気分になれます。

複数の施設で経験を積み、地底の森ミュージアムでは2年目の鈴木さん。「2万年前の旧石器時代の地層は標高7mあたりで、そこから2m上が縄文、さらに弥生から現代までの水田の地層が重なっているんですよ。」鈴木さんによると、個人で見学するのもいいけれど、スタッフやボランティアガイドの人に案内してもらうのがおすすめだそう「なぜたき火した跡だと分かったのか?」「石器づくりはどうやって行われたか?」といった疑問、野外にある氷河期を再現した森の植物などについて詳しく教えてくれます。

仙台市太白区長町南4-3-1 ☎022-246-9153
http://www.sendai-c.ed.jp/~bunkazai/~chiteinomori/

竪穴住居を再現した縄文ムラと土器焼きや植物栽培を行っている

縄文の森広場は、山田上ノ台遺跡で発掘された縄文時代のムラを環境とともに復元した場所。ここからは38軒の竪穴住居、木の実などを貯蔵した穴、動物を獲る落とし穴、ゴミ捨て場などが見つかっています。当時、この見晴らしのいい大地の緑に、数軒を単位としたふたつの住居群を設け、共同の広場もあったといいますから、想像するだけでワクワクします。まずは、復元された竪穴住居へ。中に入ると意外に広く、思いのほか快適。縄文人の高度な知恵と文化が、現代人の想像をはるかに超えていたことがうかがえます。周りには住居の柱となったクリ林も植えられ、まさに当時にタイムスリップしたかのよう。 また、館内には数々の土器や石器も展示されています。

長年、発掘作業に実際携わってきた所長の篠原さん。「従来、縄文時代は原始的という言葉で表現されてきましたが、近年はその考えを覆すような発見が相次いでいます。ぜひ、みなさんもここで縄文人の文化や知恵にふれ、古代浪漫を体感してみてください」。縄文ムラの周囲に植えたクリ林は今まさに生育中で、数年後に来るとまた新しいムラの姿を見ることができる、とも教えてくれました。篠原さんのおすすめは、定期的に開催されているイベント。竪穴住居の内外で火おこしや縄文スープづくり、発掘調査体験、コンサートタイム、当時のまつり復元など盛りだくさんなので、旅の思い出に参加してみてはいかがでしょう。

仙台市太白区山田上ノ台町10-1 ☎022-307-5665 
http://www.sendai-c.ed.jp/~bunkazai/~jyoumon/

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